
ここはモロカタ(都城)。
そして私の名前はアヤメ。
機織(はたおり)と裁縫をたしなむ、ちょっといいとこのお嬢様。
将来の夢は、花の都で玉の輿結婚!素敵な王子が現われないかな…。
ウシモロ「アヤメ!父が久々に都から帰ってきたぞ。帰りに船が嵐にあってな。都からの品物がほとんどダメになってしまった。わしも年だな。ここに無事な土産が3つある。これを弟のイホツミとオオヒナ、3人で仲良く分けなさい。」
①つ目、グワァーン!
「ひびの入った青灰色の壺」
②つ目、ズバーン!
「都で流行りの馬」
③つ目、ドガーン!
「ずんぐりした仔馬(?)」
うん、どれも欲しくない。
③は何?見たことない。また衝動買いかな。畜産のこととなるといつもこうなのよね。動物を飼うの大変なのに。
でも、嵐の中持ってきたお土産、無下に断ると今後に響く。消去法なら①だけど…。
イホツミ(…姉ちゃんが先に選んでいいよ。)
アヤメ(?)
イホツミ
(親父、相手が何に関心があるが考えてないよね。全部自分の好みで選んでるよ。)
(姉ちゃん機織始めたから、都の機織機欲しいって親父に言ってたじゃん。でも伝わってなかったね。)
(それに、姉ちゃんは馬乗れないし、オオヒナは動物苦手だろ?俺は馬でも何でも乗れるから、いいんだけどさ。)
(姉ちゃん的には無難に①壺か③ずんぐりじゃない?)
アヤメ(そうねぇ、①か③よねえ。①を選びたいけど、オオヒナのことを考えると…。)
悩んでいるとオオヒナが小声で
オオヒナ「ぼ、僕が③を…。」
オオヒナは相手を優先しすぎるきらいがある。長女の私が①がいいと言えないのを察して…。
アヤメ「私は③ずんぐりにします!」
これでいいよね。動物一頭くらい何とかなるでしょう。
イホツミ「じゃあ俺②の馬ね!」
そしてオオヒナは①の壺。
結局イホツミが一番マシなものを選んだことになったわけか。そういえば、前にも似たようなことがあった。父が微妙なお土産を持って帰って、で結局イホツミがマシなものを選ぶ。何でいつもこうなるんだろう。
イホツミ「へへっ、姉ちゃん~良かったね~。③って小さくてずんぐりしてるから、姉ちゃんでも飼えるんじゃな~い?」
こいつ、全部計算づくだったの?どうしてこうなった?ムカつく。
まあいいや。父が都へ戻ったら、あいつに③の世話も全部させてやる!
…と思っていたのに…。
この少女は古墳時代、後に全国に知られることとなる女性となるのですが、それはまた先のお話…。
>>2週目に続く
<補足>
ストーリーテリング形式で作ろうと思ったとき、誰を主人公にしようか考えました。
某ドラマは、最近近代~現代を行き来している。全く別の時代の話なら新鮮味がある。かつ、都城にゆかりのある人物…。
見つけました。古墳時代に生き、歴史書にも記載がある女性、それが…(つづく)。
